父の一周忌で久しぶりに親戚と顔を合わせた。
父が逝ったときツアー中で何もできなかったことを詫びて、
礼を言うことができてよかった。
叔父や叔母は東京大空襲の経験者が多く、
祖父の通夜だったその日のことを生々しく語ってくれる。
祖母は骨壺を体に括りつけ両手に幼子を引き、
必死で焼夷弾の雨をかいくぐり、
なんとか生き延びたが背中におぶった赤ん坊が窒息してしまい、、、
彼女はいったいどんな思いでその後の人生を生きたのか。
(そういえば祖母が逝ったときも僕は旅の途中だった。)
10万人の死者とそれ以上の負傷者を出し、
100万人ともいわれる人が家と町を失い、
一面の焼け野原を彷徨った。
いつどこでどのように死んだのか、
消息さえつかめない人々が沢山いる。
そんな身内や友人のことを忘れられず
「墓に入れるだけで満足、葬式はやるな、一周忌だけでいい」と
遺言を残した父。
日本人は戦争の生き証人を彼らの世代で終わるらせるのか。
それとも新たにつくるのだろうか。。。
「やだねぇ〜戦争は。。。」
この普通の言葉が、重く深く胸に響いた。
り◇