アールセルゲの丘で風に吹かれながら思った。
98年のアースセレブレーションのゲスト、
レッド・ウィロー・ダンサーズは
ネイティブアメリカンのグループ。
僕と同い年でリーダーのべニートは、
舞台が終えて感涙している僕にイーグルの
スピリットを流し込み、
兄弟の契りのパイプセレモニーをしてくれた。
ネイティブアメリカンの祖先は1万年前、
このシベリアから陸続きだった大陸を
渡っていった人たちだという。
それを証明するかのように、
ここアールセルゲの丘には
イーグルを彫ったポールがある。

僕は旅によって何を知ろうとしているのだろう。
これまでしてきた旅が、いつか意味をもって
一つに繋がる日がくるのだろうか。
目に見えるもの、形あるもの、命あるもの、
限りあるものは美しく愛おしく、
また時に醜く憎らしい。
しかしそこだけ見ていては
解らないことがあると思う。
旅で出会ういろんな人、様々な出来事、
そのとき感じる自分の感情。
そういう「事実」でなく、その奥にある
「真実」
を見ることができるメガネは
ないもんだろうか。
そんな時「ドラえもんがいれば…」と
よく思うのだ。
丘に吹く風に乗せて、感謝の気持を届けましょう。
出会ってくれてありがとう。
り◇8/7夜