座学でやること
鼓童研修所は、鼓童のステージを目指す
プレーヤーの養成機関です。
僕がご指導に関わって25年以上。
特に鼓童を独立してからの方が関わる機会が増えて
太鼓打ちとしての基礎作りに携わっています。
太鼓打ちの基礎とは何か、
それは様々な角度から考えられますが
少なくとも技術と体力に優れているだけでは
圧倒的に欠落する重要な事柄があります。
そうした先人たちが築き上げた事柄を
凝縮させた「種」としてシェアし、
共に学ぶために、毎回座学も行っています。
この座学の内容を少し綴ってみたいと思います。
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星と作物と人
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春夏秋冬の繰り返し。
これは地球と太陽の
位置関係と地軸の傾きによるもの。
季節が生まれ、植物が育つ
サイクルができる。
そのサイクルに沿って
人は作物をつくる技術を
手に入れた。
作物ができる土地に定住し
コミュニティーを築き
そして「ムラ」「社会」へと
成熟させてきたのです。
太鼓打ちのルーツ
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地道な日常である「ケ」を生き抜くための
エネルギーの発散と再生。
そしてコミュニティーの
繋がりを強める「ハレ」の舞台。
それが”祭り”なのです。
この感謝と祈りのハレの舞台に
欠かせないのが、芸能であり
太鼓だった。
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僕たちが今太鼓をたたくのも
この流れがルーツの一つになっているのです。
だからこそ、五線譜に書けるリズム練習
だけに明け暮れず、
宇宙、自然、人間が織りなす
リズムのアンサンブルに
耳を澄ましてみよう。
きっと五線譜に書けない何かが
音に溶け込んで
宇宙に、自然に、人間に共鳴することでしょう。
そのとき、創作和太鼓も
本質的にルーツとともにあるのです。
僕たちはいつでも自然の一部
伝統的生活をしていない現代人の
創作和太鼓だとしても
星々や自然を忘れることはできても
離れることは決してできません。
そんな想いがあれば
太鼓をたたくとき
あるいは太鼓の演奏を鑑賞するとき、
一味違う響きとリズムを
楽しめるのかもしれませんね。