本開催に先駆けてのプレ・エキシビジョン、
グレゴリー・コルベールの写真と映像は”素晴らしい”という
言葉が空々しく感じるほど、魂が震えるものだった。
眼で確認できる作品そのものはもちろんすごい。
しかしその奥に全てが詰まった空洞とでもいうか、
生と死の混在といおうか、
そんな奥深い両極の厳しさを愛あるまなざしで
受け止めているように感じる。
静寂の中で多くを感じるのは、説明をあえて一つもしない
ことによって、見る側が作品に入り込むスペースを広く
用意してくれているからかもしれない。
個人的に美術作品の展示は、もっと作品を
引立てる演出があればいいのにな、と思うことが多い。
ここでは照明や小道具がよく考えられて、
会場全体が作品の世界観と調和されていた。
こういう空間にはいつまでも浸っていたくなる。
そういえば数年前、千住三兄弟のコラボ(明さん作曲、真理子さん演奏のバイオリンが流れる博さんの日本画展)のときもそんな感じで、だれもいなかったので会場に寝っ転がっていたら、係員に「大丈夫ですか?!」といわれてしまったことがあった(^^ゞ
本開催は坂茂(ばんしげる)氏の紙でつくられた移動美術館に展示される。
美術館ごと作品になる展覧会。ん〜何度も通ってしまいそうだ。